「今日も、やることが何もない……」
朝9時に出社して、パソコンの電源を入れる。そこから夕方6時まで、僕の仕事は「ただ席に座って、時間が過ぎるのを待つこと」でした。
実質、社内ニート。
周りの先輩や同僚は、電話対応や会議で忙しそうに走り回っているのに、僕のデスクの上には何の書類もありません。メールボックスを開いても、新規メールはゼロ。「何かお手伝いできることはありますか?」と聞いても、「今は大丈夫だから、マニュアルでも読んでおいて」と言われるだけ。毎日が、本当に苦痛でした。
朝9時から夕方6時まで、ただ画面を見つめるだけの地獄
何もしないでお給料がもらえるなんて、最初は「ラッキー」と思うかもしれません。でも、それが毎日続くと、心がじわじわと死んでいくのがわかりました。
「お願いだから、誰か僕に仕事を振ってくれ……。ここにいてもいいって、言ってくれ……」
パソコンの画面をスクロールするだけの右手が、カタカタと虚しく音を立てます。まるで「忙しく仕事をしているフリ」をするためだけに、キーボードを叩いていました。周りの目が怖くて、ネットサーフィンすらまともにできません。1分が、まるで1時間のように長く感じられました。
「何もしないで給料をもらう」ことの本当の辛さ
「自分は会社にとって必要のない存在んだ」
そう思い始めると、毎朝ベッドから起き上がるのが本当に辛くなりました。同僚たちの楽しそうな雑談にも入れず、お昼休みは逃げるように外の公園で一人でパンを食べました。社会から取り残されているような、強烈な罪悪感。このままでは、本当に自分がダメになってしまう。そう確信した瞬間がありました。
罪悪感に押しつぶされそうになり、こっそり始めた「ある行動」
ある日、僕は「このまま死んだように過ごすのはもう嫌だ!」と心の中で叫びました。転職するにしても、今の自分には誇れる実績が何ひとつありません。
【僕がひそかに決意したこと】
誰にも頼まれていないけれど、自分にできる小さなことを、勝手に探してやってみよう。
そこで、僕がこっそり始めたのが、「社内の共有サーバーにある、ぐちゃぐちゃな資料フォルダの整理」でした。
誰にも頼まれていない、だけど誰かのためになりそうなこと
誰の指示でもありません。怒られるかもしれないという不安もありましたが、とにかく何かをせずにはいられなかったのです。過去の古いデータを仕分けし、誰が見ても一目でわかるように名前を変えて、フォルダに整理していきました。
他にも、誰も使っていない共用キャビネットの片付けや、よく使う書類のテンプレート化など、「誰もやりたがらないけれど、あったら便利なもの」を、ひたすら無心で作っていきました。パソコンを眺めて時間をつぶすより、よっぽど心が軽くなりました。
「これ、すごく助かる!」先輩のその一言で世界が変わった
そんな「こっそり活動」を始めてから2週間が経った頃、思いがけないことが起こりました。
いつも忙しそうにしている厳しい先輩が、突然「あれ?共有サーバーの過去資料、めちゃくちゃ綺麗になってない?」と声を上げたのです。
僕は心臓がバクバクしながら、「あ、すみません。やることがなかったので、勝手に整理しちゃいました……」と謝りました。すると先輩は、満面の笑みでこう言ったのです。
「え!これ君がやったの!?すっごく探すの楽になった!ありがとう!」
その瞬間、全身の血がカッと熱くなるのを感じました。「あ、僕、ここにいてもいいんだ」と、心の底から救われたような気持ちになりました。
自分で仕事を見つける楽しさを知った
そこからの毎日は、少しずつ変わり始めました。先輩から「これも整理してくれる?」と直接頼まれるようになり、気づけば新しい資料作成の仕事も任せてもらえるようになりました。今では、1日中やることがないなんて日はありません。
指示を待つだけだった僕が、自分の頭で考えて動く楽しさを知ることができたのは、あの「勝手に始めた片付け」のおかげです。もし、今「やることがない」と悩んでいる人がいたら、ぜひ自分の身の回りの小さな「お助け行動」から始めてみてください。きっと、何かが変わり始めるはずです。