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「にがい!」と薬を全力で吐き出し、スプーンを見るだけで大暴れする我が子。焦る気持ちでネットを漁っていた僕が、ある『お薬サンドイッチ法』を試したら、嘘みたいに笑顔でゴクンと飲み込んでくれたときのこと

「お願いだから、これだけは飲んで…!」

夜の静まり返ったリビングで、僕は泣きそうな声をあげていました。目の前には、ゼコゼコと苦しそうな息を吐きながら、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにした2歳の息子がいます。

おでこに手を当てると、火を吹くように熱い。体温計の数字は「39.2度」を指していました。小児科で出された粉薬を飲ませたいだけなのに、スプーンを口元に近づけた瞬間、息子は野生動物のような力で暴れ狂うのです。

「いやぁぁぁ!にがい!あっちいって!」

薬を必死にスプーンにのせ、水で溶かして口に入れようとした最初の挑戦は、見事なまでの大失敗に終わりました。息子は全力で薬をペッと吐き出し、その反動で僕のパジャマには赤茶色のシミが広がりました。その瞬間から、息子にとってスプーンは「恐怖の武器」になってしまったのです。

スプーンを見ただけで逃げ回る、終わりのない夜

一度でも「苦い」と感じてしまった息子は、もう僕の言葉を信じてくれません。「あまいよ〜」「これ飲んだらぽんぽん痛いの治るよ〜」という僕の優しい声がけも、完全に逆効果。スプーンを持った僕の手が動くだけで、部屋の隅へ全力疾走して逃げていきます。

「どうして飲んでくれないんだ…」

暗い部屋で、小さな肩を上下させて眠る息子の横顔を見ながら、僕は自分を責めました。父親なのに、子どもに薬ひとつ飲ませてあげられない。このまま熱が下がらなかったらどうしようという焦りと、嫌がる息子に無理やり飲ませようとする自分への自己嫌悪で、押しつぶされそうでした。深夜2時、僕はベッドの中で、スマホのブルーライトに照らされながら「子ども 薬 飲まない 拒否」「粉薬 飲ませ方 裏ワザ」と、狂ったようにネットの海を漁り続けました。

神様、仏様、ネットで見つけた「お薬サンドイッチ法」

そこで見つけたのが、ある先輩ママが紹介していた「お薬サンドイッチ法」という方法でした。よくある「水に溶かす」のではなく、濃い味のペーストで薬を完全に挟み込んで、舌に触れさせないというやり方です。

【お薬サンドイッチ法のポイント】
1. スプーンに少量の「チョコホイップ」をのせる
2. その上に粉薬をそっとのせる
3. さらに上からチョコホイップをかぶせて「完全に包む」

我が家のお助けアイテムとして冷蔵庫に眠っていた、あの食パンに塗るチョコホイップ。これならいけるかもしれない。翌朝、僕は藁をも掴む思いで、キッチンに向かいました。

「にがくない…?」疑いの目から、奇跡の瞬間へ

朝、少し熱が下がったものの、まだだるそうな息子。僕は小さなスプーンの上に、慎重にチョコホイップで「お薬サンドイッチ」を作りました。見た目はただの小さなチョコレートのご褒美です。しかし、スプーンを持った僕が近づくと、息子はすぐに身構えました。

息子:「それ、にがにが?」

僕:「にがにがないよ。あまーいチョコだよ。お口の中で『ごっくん』ってできるかな?」

息子は僕の目をじっと見つめ、数秒間の沈黙がありました。ごくりと唾を飲み込む音が聞こえるほど、部屋の中が張り詰めていました。僕は息を呑み、心の中で「頼む、神様…!」と祈りながら、スプーンを差し出しました。ゆっくりと、息子が小さな口を開けました。

ぱくり。

スプーンが口から抜けた瞬間、息子の動きがピタッと止まりました。一瞬、また吐き出すのではないかと、僕の心臓はバクバクと激しく波打ちました。しかし、息子の口はモグモグと動き、次の瞬間、「ごっくん」と喉が鳴りました。

「あまい!おいちい!」

まるで魔法にかかったかのように、息子の顔にパッとひまわりのような笑顔が咲いたのです。信じられない光景でした。あんなに大暴れしていた薬を、自分から「おいしい」と言って飲み込んでくれたのです。その瞬間、僕の目からは、緊張の糸が切れたように涙がぽろぽろとこぼれ落ちていました。

あのとき、僕の肩の荷がすーっと軽くなった

薬を飲ませるという、ただそれだけのことが、これほどまでに高い壁に感じられるとは思いませんでした。でも、あの「ごっくん」の瞬間から、我が家の薬嫌いバトルは完全に幕を閉じました。熱が下がり、元気にリビングを走り回る息子を見ながら、僕は心から救われた気持ちになったのです。もし、今この瞬間も、泣き叫ぶ我が子を前に途方に暮れているパパやママがいたら、どうか自分を責めないでくださいね。いつか、うそみたいに笑って飲んでくれる日が、きっとすぐにやってきますから。

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